場の設計技法: 《ワーク》

ファシリテーターの思想
場の技法シリーズの7回目をお送りいたします。
今回は「設計」の技法の1つ、《ワーク》について記しました。

《ねらい》と《タネ》1を橋渡しするために用意する作業内容を、ワークショップ設計所では《ワーク》と呼称している。読みもの「グループサイズと活動の名称」で挙げた通り呼び方はさまざまあって、その《ワーク》の前後に通り呼び方はさまざまあって、その《ワーク》の前後に明文化した《ねらい》と《タネ》の内容に応じて、《ワーク》でない別の呼称を用いることも考えられる。

ファシリテーターとして場に臨むことが不慣れな場合、指示内容を実際のセリフベースで想定しておくことが望ましい。セリフベースになっていない指示内容の例を挙げよう。例えば「人事制度の改善点を話し合う」と、《ワーク》(ここでの作業内容)を想定しておいたとする。熟練したファシリテーターであれば、このくらいの想定でも場を進めることが可能だ。一方で、あいにくファシリテーションのイメージがわかない場合は以下に示すくらい具体的に指示内容のセリフを考えておくとよい。「これからだいたい10分程度、人事制度の改善点をなんでもよいので出し合っていただけるでしょうか。今日はご出席者が多いので、3人ずつに分かれて話し合ってもらいましょうか。おおよそ10分後にはどんな話し合いがなされたか、1分程度で発表をお願いしたいと思います。なお、無理に結論は出す必要はありませんし話題があちらこちらに飛んでもこの10分間は構いません。テーマ『人事制度の改善点』についてできるだけたくさんの視点を出し切っていただきたいと思います。ご質問がなければ話し合いを始めたいと思うのですがいかがでしょうか。」このセリフをもって1つの《ワーク》ととしてワークショップ設計に組み込んでも構わないだろう。

指示内容には、その時間が終わるころにどうなっていて欲しいかのリクエストとその《ねらい》を含めることが忘れがちになる。また、《タネ》を達成できない《ワーク》には意味がない。単に奇をてらっただけの《ワーク》が最近は散見されるがその場を主催するものの自己満足に過ぎない。

ワークショップ設計によって《ねらい》《ワーク》《タネ》の三点セットの論理を明瞭にすることが可能になるし、当日ファシリテーションする場の状況に応じて内容を変更することも容易になる。ワークショップデザインに関わるものはよく覚えておくとよいだろう。

場の設計技法 三点セット《ねらい》《ワーク》《タネ》
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記:ワークショップ設計所 小寺
同じ著者の読みもの

付録

  1. 《ねらい》に関しては場の設計技法: 《ねらい》に詳しく書いた。同様に、《タネ》の詳細は読みもの「場の設計技法: 《タネ》」を参照して欲しい。