ティール組織(Teal Organization)について2 〜コンセンサスの限界〜

経営と組織観
前回記事からの続きです。

家族のような組織の限界

Green色組織に限界があるという提言には大変に共感しました。Green色組織というのは(Tealの生命体型組織に対して)家族型組織と呼ばれ、その特徴は意思決定がコンセンサス(全員による合意)によってなされるということです。

コンセンサスって時間かかるんですよね。それも途方も無いくらい。(ですから、できるだけ早くコンセンサス(合意形成)できるしなやかな組織づくりのためのファシリテーター養成に対しては、今もよくお問い合わせをいただきます。)

他方コンセンサスの意思決定にはメリットもあります。合意に至る過程で、決定に参画できることによるモチベーションアップや、互いの価値観を知り合い学習する組織の土壌づくりができるといったメリットです。

しかし、繰り返しますが、時間がかかるのです。

そして人間、いくら時間をかけたところでどうしてもコンセンサスできない、とったことも世の中にはあるものです。(多くのコンセンサスはコンセンサスしたフリをし合い、そうし合うことでお互いに優しくなれているという側面もあるとは思いますがそれはまた別のお話。)

決定は個人

Teal型組織の意思決定法で“アドバイス・プロセス”というものがあります。

これはその担当者が意思決定をする際、その決定に影響のある人や専門知識のある人に必ずアドバイスを請わねばならないというルールですが、担当者はそのアドバイスを受け容れる必要はありません。

担当者は担当者の権限と責任で熟考し、もらったアドバイスも参考にしながら自由に意思決定をすることができる、これが“アドバイス・プロセス”です。

これは、コンセンサスとは違った意思決定の仕方で、独特です。アドバイスをする人から政治性を完全に排除できれば大変に有効な方法かと思われます。

<続く>

注)この記事は、Facebookにて2018年2月19日に公開した記事に加筆修正を行ったものです。

記:ワークショップ設計所 小寺
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