(応答2) 論文「幼児に対する減塩を主眼とした食育指導の実践と質的評価による理解度の可視化」所感

読みもの

設計所より

言葉にはどうも人を惹きつける魔力があるようで。
言葉にしないと伝わらないことはたくさんあるし、だれかに言葉で自分の考えを聴いてもらえて初めて自分自身の考え方のクセや他者から自分がどう映っているかに気がつくこともあるだろう。一方で、自分がモヤモヤとして言葉にできなかったことも言葉にならないまま相手に思いがスパッと直球どストレートにコンマ数秒で伝わってしまうこともよくあるし、伝え手の考えや気持ちが受け手に捻じ曲がって伝わった結果、なにかとてつもなく面白くクリエイティブなことが起こる可能性だってある。(ケンカやトラブルにつながることもあるのだが。)

問題は、「いつ」言葉にしてみるのが良いのだろうか、ということだ。ワークショップを設計する技術やファシリテーションは、相手が言葉にすることを助けるものだと言えるが、言葉にせざるを得ない環境をつくって言語化を強制することもできてしまう。

インターネットが発達して距離がはなれていても簡単にコミュニケーションがとれて便利だが、裏返せば言葉やスタンプといった目に見えるものへ、自分が伝えたいことをすぐに変換できなければ他者とコミュニケーションさえしづらい時代なのかもしれない。単に黙っているだけでも濃密なコミュニケーションは生まれるもので、そんな場の設計技術をもっとブラッシュアップしていかねばならないんでしょうね。

記:ワークショップ設計所 小寺
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