ワークショップとは その3

ファシリテーターとは、ワークショップとは
前回記事「ワークショップとは その2」からの続きです。

ワークショップとは、AI共存時代において人間にしか生み出せない空間である

ワークショップの技術は一部の分野に限定される専門知識だろうか。
ワークショップの参加経験や、ワークショップで使われる手法自体に興味を持ってファシリテーターをめざしたり、その存在に興味をもつ方が増えてきた。

もともとワークショップは演劇や造形やファッションなど、アートに源流がある。
だから、自己表現という、その行為を行うこと自体が娯楽として楽しい分野と親和性が高い。
また、創造性開発が人材育成のテーマとして流行していることもあり、ビジネス分野においても、例えばカラーブロックで理想のチームを表すオブジェをつくる体験をして、ワークショップ自体の楽しさに目覚めるとか、ファシリテーショングラフィックやレコーディンググラフィック、マインドマップなど、ワークショップや会議の記録として使用する技法が楽しくてそこからプロを目指すケースもある。

ワークショップ型の空間が持つ魅力に多くの人が気がつき、そのすそ野が広がっていくことは素直に嬉しい。

 

ワークショップには予定調和がない

AIは、論理演算の延長でできることは実現できるがいくら機械学習をさせディープラーニングを重ねても、今ないものを夢想したり、五感を使った創作は難しい。

ワークショップは生身の人間同士のコミュニケーションが土台だから、まず間違いなく想定外が起きる。そこがワークショップの良さだ。

一方的な情報伝達や膨大なデータ処理では完璧にうまくいって100点満点のところ、ワークショップでは満点を超えて120点、200点の成果が収穫されることがしょっちゅうある。
(ただし、一定の社会心理学や人間の性質、集団行動で起きることに留意せずワークショップを行っていると場が暴走して思わぬ事態につながることがある。ワークショップを扱うスタッフは、そのリスクや歴史的経緯についてよく知っておくことを勧める。)

できるだけ良いほうの想定外が起きるように期待をしつつ、そうではない想定外は起こらないように設計ができること、起こったときは無理に止めず適切に状況を判断してその場を焦らず保留できるよう振る舞えること。それもワークショップを事前に設計する技術をきちんと学ぶことの意義といえる。