(インターン生より) 論文「不登校児の親グループの発展段階に応じたファシリテーション」所感

読みもの
「不登校児の親グループの発展段階に応じたファシリテーション」という論文1を見つけたとき、発展段階に分けてファシリテーションをすることは合理的だと感じた。というのも、子供が不登校になった直後と、不登校になってから1年経つのとでは親の心境は違うかもしれないからだ。

また、本論文では同じ境遇の人を集め、複数のファシリテーションを上手に使っていた。複数のファシリテーションの中でも「横2のつながりを尊重」、「肯定面、肯定的な変化の強調」を促すファシリテーションは中でも重要であると私は感じたので、その理由及び、気づきについて述べる。

横のつながりを尊重する重要性

横のつながりを尊重させることで、ありのままの意見や思いを受け入れてもらえる雰囲気ができるため、重要であると私は考えている。自分の意見を受け入れてもらえる(尊重してもらえる)と感じたとき、誰にも話していない自分の思いを参加者に共有できるかもしれない。共有することで、参加者同士の話し合いがより活発になると私には思われる。

肯定面、肯定的な変化の大切さ

あえて肯定的な側面を見出すことで、「そんな考えもあるのか!」と新たな発見や気づきが生まれるため、大切だと私は考えている。また肯定的な面を見つけた場合、気持ちが軽くなり、子供が不登校になったのは自分のせいと思っている親のメンタル回復の手助けにもなると私には思われる。

物事に意味づけしているのは自分自身

論文を読んだ私の気づきであるが、結局物事に意味づけしているのは自分自身であると感じた。当たり前かもしれないが、世間では、不登校に良いイメージを持っていない。そのせいか不登校児がいると、親である自分に原因があるのか、あるいは子供に原因があるのかをつい考え込んでしまいネガティブになる。いくら考えても「不登校児がわが家にいる」という事実は変わらない。世間の目を気にし「不登校児がわが家にいる」という事実に、「不登校はよくないこと」とネガティブな意味づけているのは親自身(自分自身)である。しかし、「無理やり学校に行かせた結果、子供が自殺してしまった」という話を聞いた場合に比べて、不登校になったおかげで、我が子と対話できる時間が増え、子供が自殺をせずに済んだとポジティブな意味づけだってできる。要するに「不登校はよくないこと」と考えるのではなく、「不登校を悪いものだと決めつけているのは自分だ」という認識を持つことで、少しは物事を楽観的に考えられるのではないだろうか。

記:インターンシップ生 松本
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付録

  1. 中地展生(2015). 不登校児の親グループの発展段階に応じたファシリテーション, 人間関係研究, 南山大学人間関係研究センター紀要, 14, 79-85.
  2. 横とは、同じ悩みを持つ仲間のことである。