ワークショップのプロについて考える

ファシリテーターとは、ワークショップとは

報酬はなんのためか

プロという意味を仮に「誰かから報酬を得て実施する」と定義すると、報酬を払う方は、なぜ報酬を払うのでしょうか? そもそも自分でできることなら自分でやるでしょうから、自分では時間がなくてできないか、自分より上手く何かをやってくれると期待して報酬を払います。報酬を払うことが目的であればわざわざワークショップを開催しません。何か理由をつけてとにかく払えばいいだけです。何かご自身で実施できない事情があり、代わりにやってほしいから報酬を払っていただけるケースがほとんどです。

ワークショップの成功とは

報酬を払って期待することはワークショップ自体の成果でしょうか? それとも、そのプロである個人が行うことによる何かでしょうか?
これは発注者さんの事情によります。企業研修なら前者でしょうし(誰がファシリテーターでもよく、企業側が望む教育効果を実現するために投資する)、後者ならば、そもそもワークショップである必要は必ずしもなく、その人がファシリテーターとなることで集客が見込めるという理由で報酬を払うかもしれません。カンファレンスやシンポジウムイベントなどでよく見かけます。この場合、ワークショップ形式を取り入れる意味は違ってきます。

無理にワークショップにはしなくてよい

講演だと参加者が寝てしまうから、居眠り防止で何かさせたいの?と思うようなワークを強いてくる講演者がたまにいらっしゃるようですが、聴衆はそこまで愚かではないので、そういう意図はすぐに見抜きます。大人だから違和感を表明せずにのってくれるだけです。必然性のないワークをさせるくらいなら、講演内容を面白くて眠っていられないものに磨くことが、講演者にとっても参加者にとっても有意義かと思います。参加者のために必然性のあるワークを組み込みたい、だが具体的にどうしたらよいかわからず困っているのでしたら、ワークショップのプロに任せてみるのも良いのではないでしょうか。

記:ワークショップ設計所 後藤
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