場の技法シリーズの21回目をお送りいたします。
今回は「発表」の技法の1つ、『SNS投稿案作り』について記しました。
今回は「発表」の技法の1つ、『SNS投稿案作り』について記しました。
もしかするとワークショップは模造紙や付箋ばかり使われがちでアナログなイメージが強いかもしれないが、場の設計技法を用いてきちんとデザインすればあらゆるテクノロジーを導入できる1。この技法『SNS投稿案作り』は、FacebookやInstagram、Twitter(連投機能を用いるとよい)などへの投稿内容をグループで話し合ってもらい実際に投稿してもらう技法である。もちろん社外秘情報には気をつけねばならないが、オープンイノベーションが叫ばれる昨今において、アイディアを早め早めに発信できる利点もある。完全な公開が難しいようであれば、社内グループウェアへの投稿でもよいだろう。投稿の見出しは? 写真は? いいね!やコメントはどうすればもらえそうか? など様々な論点で投稿内容を話し合ってグループで決める必要があるこの技法は、模造紙やマイクを使った密室でのワークショップ像を打ち破り、距離や地域、時間さえも超えてワークショップを設計できる可能性を秘めている。
技法は、単体ではどんな場でも機能しない。状況を、「事前」と「今、ここ」の2回ある機会を活用することで適切に見極めて複数の技法を重ねる必要がある。
訓練を受けたファシリテーターを複数存在させることも有効だし、さらには参加者を巻き込んで技法選択を検討できるとなお良い。
各技法は、前後の技法の接着面を「場の設計技法」によって明文化することで初めて機能する。単体の技法のみの安易な導入は、場の失敗につながる。組織内の信頼関係を毀損しかねないばかりか、下手をすると一部の仲間に心の傷を負わせるリスクが発生してしまう。十分な善意と設計を熟慮してその場に臨むことがファシリテーターの義務であることを踏まえて、各種技法を活用して欲しい。
記:ワークショップ設計所 小寺
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