松本さんが記載された文章の中に出てくる「ファシリテーション」のとらえ方によって、私のこの文章への印象は大きく変わってくるように思いました。
ファシリテーションをスキルとしてとらえ、人間関係をうまくする処世術や技のようなものと定義するのであれば、一方的に教えられる従来型の教室で行われている1対多の授業よりは生徒の満足度は上がりそうです。
元の論文にある「ガードレール型」学習も従来型の授業よりは意欲の向上に寄与するかもしれません。
その一方であくまでそれは処世術や技であるので、「授業でよく生徒の話を聞いてくれる優しい先生の従来型の授業」とあまり変わらないような気も致します。
他方ファシリテーションを心から人と人とが向き合うものととらえると、教科内容を教えて生徒を学期末には評価する教師という立場と相反してしまうように思います。
生徒からしたら、「自由に学習しよう!」と言っておいてきっちり評価をしているダブルスタンダードに違和感を持つか、賢い生徒は先生が喜びそうな回答を当てにいくか。
こちらは学習の意欲向上よりも、間違った動機付けの方に傾きそうですね。
記:教育関連企業勤務 峰松
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